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MESSAGE

社会の激変こそチャンス! 拡大するポイントサイトの可能性

「MESSAGE」第3回目 JIPC設立理念と未来への展望 〜後編〜

JIPC会長 (写真左)宇佐美 進典(株式会社VOYAGE GROUP )代表取締役社長 兼 CEO

JIPC副会長 (写真中央)廣瀬 守(株式会社DNPソーシャルリンク)代表取締役社長

JIPC監査役 (写真右)森 輝幸(GMOメディア株式会社)代表取締役社長

ここ数年で、ポイントを巡る世の中の概念は大きく変わりました。スマートフォンの登場で消費者のライフスタイルも変わり、インターネットポイントサービスの可能性がますます広がりつつあります。今後はさらなる発展が期待され、オフラインとのシームレスな関係構築、公共サービスとの連携など、さまざまな試みも模索されています。

Q:JIPCの設立から10年。団体としていま、手応えを感じている成果を教えてください。

宇佐美 ポイントの不正取得問題に対する啓蒙活動は、成果をあげていると実感しています。以前は、同じユーザーがひとつのポイントサイトに複数の架空アカウントを作り、ポイントを重複して獲得するという不正が少なくありませんでした。

廣瀬 無料サンプルを申し込めばポイントが獲得できるような案件に対して、架空のアカウントから5個も6個も申込みをするような不正のことですね。

宇佐美 広告主はサンプルを同じ住所に何個も送ることになるので、不正であることをすぐに把握します。度重なれば、私たちにそのつもりがなくとも、広告主は不正を見逃していたとして、ポイントサイトに不信感をもつでしょう。こうした事態を避けるべく、JIPCは発足以来、ポイントの不正取得が犯罪であることを広く訴え続けてきました。今も各ポイントサイトからJIPCサイトにリンクを張ってもらい、JIPC主導のもと、ポイント不正取得の撲滅キャンペーンを展開しています。10年前に比べると、理解は広がったと感じています。

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Q:現在、ポイントサイトが直面している課題を教えてください。

宇佐美 ひとつは、若い世代のユーザーをあまり取り込めていないこと。若い人たちのネット環境は、PCよりもスマートフォンが中心、インターネットに初めて接続したのもスマートフォンからという人が珍しくありません。私たちのような事業者にとってインターネットに慣れている彼らは本来、ポイントサイトのヘビーユーザーとなるはずの層です。しかし実際は、よりスマートフォンとの親和性が高いサービス、例えばFacebookやTwitterなどに多くの時間が割かれ、若い世代の意識がポイントサイトにまで及んでいないというのが現実です。

廣瀬 そこは課題ですね。企業としても、いろいろな戦略を立ててはいますが、具体的な働きかけはまだこれから、というところでしょうか。

森 企業としては当面、スマートフォンで最善のサービスを提供することに注力したいと思っています。確かにいまは、可処分時間の多くがTwitterやInstagramなどに費やされています。しかし、可能性の余地はまだまだあるはずです。若い人ほど、時間があってお金がない。ならば、アクションをしてポイントを貯めるというお得な行為を、避ける理由はないと思うからです。きっかけさえあれば、可能性の扉は開く。私たちはいま、可能性の扉の鍵を探しているところです。

宇佐美 若い人たちの間ではスマートフォンでゲームを楽しむことが定着していますが、アクションを起こしてアイテムを収集するという意味では、ポイントサービスと似ています。要はやり方次第。やり方次第で若い世代にも充分アプローチは可能だということです。

廣瀬 JIPCには、さまざまなテクノロジーを持つ企業が集まっているわけですから、企業の垣根を超えて協力しあえれば、若い世代のみならず老若男女にアプローチできる何かを生み出せるかもしれない。それは可能性として、とても面白いし、インターネットポイントサービスを、もっと広く浸透させられるのではないかとも思います。

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森 協議会を構成する企業間で当然、競争はあります。自社の売上げももちろん大事。しかし、それにも増して、業界全体をもっと大きくしたいというのが正直な気持ちです。まだまだ可能性はある。であるならば、インターネットでポイントを貯めるという行為を、もっと世間に認知してもらわなければならない。この課題については、すべての加盟企業で共有できていると思います。

宇佐美 ポイントサービスは大きくオフラインとオンラインに分けられます。リアル店舗を主戦場にするオフラインは、大きな初期投資が可能な大企業に寡占されやすい。しかし、それで市場ニーズのすべてが埋まるわけではありません。インターネットを活動の場にするオンラインの世界こそ、オリジナリティのあるサービスが提供できる可能性は高い。私たちのような企業がそれぞれの持ち味を活かしながら、ユーザーや広告主のニーズを丁寧にすくいあげていけば、インターネットポイントサービスは大きく発展するはずです。企業の枠を超えて協力しあい、業界全体としてパイを大きくしていきたいと思います。

廣瀬 各企業で広告主も違えば、求めるところも違うので、まずは各社で特色を出しながら、組めるところは業界として手を組んでいくのが理想でしょうね。たとえば、「JIPCポイント」みたいなものを創設してみるというのもアリかもしれない。それも、これまでとは角度を変えて、国や地方自治体と連携を図り、たとえば、省エネ住宅ポイントとJIPCのポイントが連携したり、電気・ガスといったエネルギー関連企業と提携して、生活により密着した形でJIPCポイントを利用してもらうとか。そうした「公共」に関わるような方向に踏み出していければ、リアルなカードポイントサービスより面白い展開が期待できるのではないかと思います。

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Q:社会貢献については、どうお考えですか? 大きな災害が発生すると、ユーザーからポイントの寄付を募って、義援金や復興支援に役立てていると聞いています。

宇佐美 被災地支援では、とにかくスピードが問われます。その点、寄付を募るというアクションでは、私たちのようなインターネットメディアの方が、実店舗よりかなり早く動けていると思います。実際、サイト上であれば、ポイント募金の窓口もすぐに開設できるし、募金する側のユーザーも、PCやスマートフォンを使って、手持ちのポイントから簡単に寄付することができる。こうして集まったポイント募金は、現金に換金して日本赤十字や災害支援のプロフェッショナルチーム「シビックフォース」などに寄付しています。

廣瀬 当社もなにか災害が起こると、ポイントサイト上に募金の窓口をすぐに開設するのですが、ユーザーのアクションが驚くほど早いですね。東日本大震災の時も熊本地震の時もそうでした。これには本当に感動しました。災害時に寄付を募るたびに、人の心から湧き出る助け合いの精神みたいなものを強く感じます。ユーザーの皆さんのおかげで、自分たちのサイトがとても素晴らしいものになっているんだと、いつも感謝の気持ちを覚えます。

宇佐美 社会貢献については各企業それぞれに、とても熱心に取り組まれていますので、JIPCとしても、今後は各企業の取り組みを、当サイトなどで積極的にアナウンスしていきたいと思っています。

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Q:ポイント募金という考え方は10年前には想像できなかったことですね。改めて、ポイントサイトをめぐるこの10年の変化について、そして、この先10年に期待することをお聞かせください。

森 先ほども述べましたが、インターネットでポイントを貯める、という私たちのサービスについては、まだまだ認知度が足りないと思っています。しかし、ポイントカードに代表されるポイントサービスそのものは、この10年ですっかり市民権を得ました。それどころか、ほぼすべての消費行動にポイントが付与される時代になりました。これは私たちにとっても大きなチャンス。ここでしっかりと自分たちの存在をアピールしていきたいですね。

廣瀬 確かに、10年で業界の景色は激変しました。10年前は、Tポイントやポンタのような共通ポイントカードもまだなかったし、スマホも存在しませんでした。以前はオフラインのユーザーをどうにかオンラインに引っ張ってこようという動きが活発でしたが、今後はオンラインとオフラインを行ったり来たりするようなポイントが面白そうですね。私たちのような事業者も、リアルな店舗とどう関わっていくかが問われるようになっていくのかもしれません。

宇佐美 私も、これまではまったく別個のものとしてあったオフラインのポイントとオンラインのポイントが、ここに来てようやく近づきつつあるという印象です。これからは、どういうタイミングでポイントが貯まれば、生活者にとってベストなのかが、より優先されるようになるでしょう。オフラインであろうがオンラインであろうが、さほど関係ないシームレスな世界観になっていくのではないかと思っています。

廣瀬 ビジネスの環境もそうですが、10年経つと、私たちを含め企業内の環境も変わります。現場でバリバリやっていた人たちが経営陣に入るのと入れ替わり、今やビジネスの中心を担っているのは若い世代。次世代のユーザーの欲求を見極めるのに、若い世代が活動の中心にいるのは、望ましいことだと思います。もちろん、私たちもまだまだ頑張るつもりですが(笑)、JIPCを核とした業界全体の行く末を、彼ら若者たちがきっと、背負ってくれるんじゃないかと期待していますね。

森 JIPCもそろそろ、青年部会を作らないといけないかもしれませんね(笑)

廣瀬 JIPCは、今後どうあるべきか、どう進化すべきかといった大義のところを、本当に腹を割って議論できる団体です。次世代の新しいポイントのあり方についても、若い世代と活発に議論を交わしながら、見つけ出していこうと思っています。

                                               <了>