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JIPC加盟各社 紹介 第15回 GMOメディア株式会社

普段利用しているポイントサイトをどんな企業が運営しているのか、気になったことはありませんか? 会社概要や沿革を読むだけでは分からないことも多いはず。そこで、JIPCに加盟している企業を順次訪問、ポイントサービス事業を統括する責任者にスポットを当てながら、他社にない取り組みや強み、社風など、企業の素顔の一端を照らし出してみました。

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超高層ビルが相次いで建設される渋谷にあって、尚もひときわ空高くそびえるセルリアンタワー。渋谷を象徴するこのランドマークの9階に本社を構えているのが「GMOメディア株式会社」です。同社が運営するポイントサイト「ポイントタウン」の統括を始め、自社メディア並びに広告全般を束ねるメディア事業部の部長であり、取締役でもある夏目康弘さんに自社が抱える課題と今後の展望、さらにはご自身のことについてお話しを伺いました。

<GMOメディアが提供するポイントサイト>

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ポイントタウンは、1999年サービスインして、今年で19年目の老舗ポイントサイト。ネットショッピングやさまざまなサービスを利用することでポイントが貯まるサービス。貯めたポイントは35種類以上の電子マネー、ギフト券、現金などと交換可能。

https://www.pointtown.com/

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【夏目 康弘さんプロフィール】

GMOメディア株式会社

取締役

メディア事業部 部長

夏目 康弘さん

1979年 愛知県生まれ、静岡育ち。拓殖大学工学部卒業後、株式会社 光通信(株式会社ファーストチャージ)入社。主にモバイルのインターネット広告営業、着うたサイト、ECサイト運営などを担当。同社退社後2社を渡り歩き、ポイントサイト広告営業、アフィリエイト広告、携帯キャリア公式サイト立ち上げなどを経験し、2009年「GMOメディア株式会社」に入社。2016年3月 取締役に就任。

【会社概要】

GMOメディア株式会社

2000年設立

代表取締役社長:森 輝幸

従業員数:141名(2018年3月31日現在)

事業内容:メディア事業、その他メディア支援事業。ポイントサイト「Point Town byGMO」を始め、無料・オンラインゲーム「ゲソてん byGMO」、コミュニティサイト「prican byGMO」など、多数の自社メディアを保有する。2015年10月 東京証券取引所マザーズ市場へ上場。

GMOメディア

https://www.gmo.media

――プロフィールを拝見すると、夏目さんが「GMOメディア株式会社」に入社されたのが2009年。今年で丸9年になるわけですね。さまざまな会社でキャリアを重ねていた夏目さんの目に、当時の「GMOメディア」はどう映っていましたか?

夏目 縁あって入社したわけですが、自社メディアとして展開していたポイントサイト、ブログや掲示板についても、当時、僕自身は使ってなかったので…、印象は薄かったですね(笑)

――なるほど。

夏目 そんななか、いざ担当としてポイントサイトを担当してみるとやれることがいくつかあって……。当時の私の部署ではweb広告経験者があまりいなかったんですよね。改善するだけでパッと結果が出てちょっとラッキーでした(汗)

――なるほど。夏目さんの目から見ると改善点があったわけですね。

夏目 改善だけでなく、新しいことも始めました。昔のメディアの枠ってクリックされない自社広告ばかりでしたが、その当時、ちょうどアドネットワークが広まりつつあった時期ということもあり、自社広告をやめてアドネットワークを貼ってみたり。周囲からは「自社広告を貼らないでどうする?」なんて、ずいぶん反対もされましたが、クリックされない枠管理に工数割いても進歩がないからと、強気に押し切りました。それが2010年頃のことですかね。今の私なら逆に大反対していると思いますけど(笑)

――知識やノウハウを最大限活用しながら、新しい取り組みに挑戦し、結果を出していったと。それに連れて夏目さんに対する社内的な評価も上がっていったわけですね。

夏目 ラッキーなことにそういうことになるかもしれません(汗)。広告運用やプロモーションをしっかりやるようになってから、売上げがぐんぐん伸びていきましたから。マネージャーから部長を経て役員にまでなれたのは、たずさわったポイントメディアが右肩上がりに成長できたからという側面があるのは確かですね。

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ポイントメディアの可能性を冷静に見極め、時には強気の判断で成果を上げてきた夏目さん。

――現在は取締役でありメディア事業部 部長というお立場ですが、このポジションに就かれてから最も注力して取り組んでこられたことは何ですか?

夏目 僕が管掌している事業のメインというと、広告メディア媒体の運営です。ポイントサイトの「ポイントタウン」や「prican」「ヤプログ!」「コーデスナップ」などが含まれます。最近では、ポイントサイトのOEM提供(ポイントCRM)も始めました。具体的にはdポイントやPontaポイントなど複数社に対してポイントCRM基盤、いわゆるポイントサイトのプラットフォームの提供、開発から運用、ユーザーサポートまでさせていただいています。

――そうしたB2B2C事業も守備範囲になるんですね。

夏目 そうですねー。現在の立場にさせてもらってからは、特にGMOインターネットグループの各グループ会社とのシナジーを出すことが、今の僕自身のメインミッションとなっています。現在、GMOインターネットグループには106社(2018年8月現在)のグループ会社がありますので。

――106社! そんなにあるんですか。

夏目 たとえば、関連会社のひとつである「GMO コマース」にはチェックインという機能があるので、アプリと連携させてみてはどうだろうとか。リサーチの基盤を持っている「GMO リサーチ」とは、「ポイントタウン」と連携させてみたとか。グループ内だけでも3つも4つもシナジーを生みそうなことがあるので、ここは今後も意識して取り組んでいきたいと考えています。

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受付フロアには、これまでに受賞した表彰状等が飾られている。

――なるほど。グループ全体で106社を数えるというお話しを伺いましたが、では、そんなGMOインターネットグループの一員である御社の強み――同業他社にはない御社ならでは強みがあるとすれば、それはどのようなことになりますか?

夏目 ひとつは多くのブランド・サービスを持っていることでしょうか。ポイントサイトの「ポイントタウン」を筆頭に、10代向けコミュニティサイトの「prican」、ブラウザゲームの「ゲソてん」、最近ではプログラミング教育の検索サイト「コエテコ」というメディアをリリースしています。媒体間で上手くシナジーを生み出せれば送客を含め、相互に活性化することができるのは弊社の強みですね。そもそもGMOインターネットグループには、「GMO ID」という共通IDがあるのでグループ媒体間でもシナジーを出しています。たとえば、クーポンサイトの「くまポン」で登録した方も、認証ひとつでポイントタウンに同じID・パスワードで利用できるようになっています。

――分かりました。では、あえて今、御社が抱えている課題を挙げるとすれば、それはどのようなことになりますか?

夏目 ポイントサイトの運営会社のみならず誰もが抱えている課題だとは思いますが、昨今、新規ユーザーを獲得することが難しい状況になっていますね。どこも有効な手を打ち続けられずにいて、結局、まだまだ小さなポイントサイトのマーケット規模にも関わらず、値引き・高ポイント還元合戦になってしまっています。弊社としては、その戦いには参戦せずに、顧客獲得を図らなければいけないと思っています。

――具体的な施策はあるのでしょうか?

夏目 弊社(GMOインターネットグループ)ならできるという分野があるので、その辺りを軸に進めています。

――すでに動いているのですか?

夏目 えっとですね・・・んーー、やっぱちょっと詳細は言えないですね(笑)。せっかくのJIPCのインタビューなので・・・ポイントサイト関連のお話で言うと、ポイントサイトのOEM提供(ポイントCRM)は、媒体数を増やしていきたいので、もうちょっとプロモーションしていく予定です。ご紹介もお待ちしています♪

――なるほど、対外的にPRをしていくつもりなんですね。

夏目 餅は餅屋というか。弊社もポイントメディア運営を18年間やってきているので、その辺のノウハウは熟知しているつもりです。例えば、今後も日本の人口は減り続けていくことが確実視されているなかで、ポイントサイトのようなまだまだ小さなマーケットだけ相手にしていても大きな成長が期待しづらいです。家電量販店の枠組みを超え、リフォームからお墓の販売まで手掛けるヤマダ電機が良い例ですが、ポイントサイトだけにこだわらず、多方面に目を配っていかなければならないでしょうね。

――分かりました。そんな御社の社風をひと言で表すと?

夏目 堅実、真面目だなぁ〜と思っています。職人肌というか、スキルが高く、静かだけれども内に情熱を秘めているような社員が多いですね。

――なんとなく、イケイケの社風だと思っていたので意外でした(笑)。夏目さんご自身は周囲の方々からどんなキャラクターの持ち主だと思われているのでしょう?

夏目 新卒の2年間しか在籍していなかったんですけど、それでも「光通信(営業)」のイメージが強いみたいですね。営業畑の人だとか、ちょっと怖そうだとか、そういうレッテルを貼られがちですね。。。こんなに優しいのに(大笑)

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2015年に上場した際の「通知書」などが飾られている部屋があり、特別な空気を感じさせる。

――ご本人は自分のことをどのような人間だと自己分析していますか?

夏目 確かに営業もできますが、自分では営業の人間ではないと思っています。関係する新しいサービスはまず使ってみたり、ユーザー目線での意見・要望はほぼ毎日チームにシェアしています(笑)。ユーザー目線がとにかく大事なので。あとは実際、アライアンスというかシナジーというか、あれとこれを繋げる、あの人にこの人を紹介する、そういうことが今の僕の仕事・役割になっているかもしれません。

――なるほど。

夏目 もうひとつ、周囲の人間にはよく呑む人だと思われている気がします(笑)。多い月で他部署の社員を含めて、5、6回はサシ呑みしているときもあります。

――そんなにですか!?

夏目 なんというか、人とのコミュニケーションや、マインドセットは意識していますので。まぁ、そういう姿を見て、周囲は僕のことを営業チックな人だと思うのかもしれませんけど(笑)

――世間が抱くインターネット会社とは、かなりイメージが異なりますね。座右の銘はお持ちですか?

夏目 2つあります。ひとつは十代の頃から心に留めている言葉で、「言い訳は自分に甘える心の病」です。もうひとつは社会人になってから持つようになった言葉で、「すべては自己責任」です。どちらも造語だと思いますが、ずっと座右の銘にしています。

――「言い訳は自分に甘える心の病」という言葉は十代の頃というお話しでしたが、どういう経緯でお知りになった言葉なんですか?

夏目 確か大学生(19歳)の頃だったと記憶していますが、その時にたままた集まっていた友達のひとりが、不意にそんな感じのことを言ったんですよね。たぶん、確かにそうだなと痛感したんですかね。それ以来、その言葉が自分の頭の中にずっと残っています。「すべては自己責任」の方は、自分が責任ある立場に立ったからということもあるんですが、そもそも自分の性格として、何事も“自分事”で取り組まないと面白くないんで。言い訳するのもされるのも鬱陶しいと感じてしまいます(笑)

――分かりました。もう少し夏目さんご自身のことについて伺わせてください。最近読まれた本や観た映画、聴いた音楽で、記憶に刻まれたものはありますか?

夏目 最近読んだ本が2冊ありまして。世古詞一さんが昨年出された「シリコンバレー式 最強の育て方-人材マネジメントの新しい常識1on1ミーティング」(かんき出版)です。『急に会社を辞めると言い出す社員がいるけれど、一人の部下が何を考えているのか、しっかり把握しようと思うなら、上司は部下と1on1のミーティングをすべきだ』というようなことが書いてあって、これはまぁその通りだと思いましたね。もう1冊は2009年の出版なので、ちょっと古い本になるんですが、高田靖久著の「1回きりのお客様を100回客に育てなさい」(同文館出版)です。Amazonだったかhontoだったかでレコメンドされて買ってみた本なのですが、先程も言いましたが、日本の人口は減る一方なので、新規客を獲得するのは難しい。となれば既存客に購買してもらうしかない。どうしたら1回来たお客さんに再度来店してもらえるのか。また購買してもらえるのか。そういったことが書いてあって、参考になりました。

映画や音楽については、思い浮かぶものがないですー。

――分かりました。休日は何をされていることが多いですか?

夏目 たいてい4歳の息子と遊んでいますね。平日は仕事を終えた後、社員や関係者と呑んでいることが多いので、ほぼ会えないので(涙)。せめて土日ぐらいはと思い、息子と一緒に時間を過ごすようにしています。子どもと一緒にいると、意外と仕事上の気づきがあったりしますし、何より疲れが取れるんですね。いや、肉体的には疲れるんですけど、メンタルが癒やされます。気づくと精神的な疲れが取れていますね。

――なるほど。では、そんな夏目さんは、十年後、どんな人物になっていたいですか?

夏目 10年後、僕が49歳の年ですね。少なくとも今のまま変化なく続けていたら、僕は終わっていると思います。僕の得意分野は会話をして人を繋げることなので、コンサルティング会社とは言いませんが、何か橋渡し役となるような仕事に就いていたいですね。もちろんサービスを運営しながら。あと東京にはいたくないかなー。何でも揃ってしまうこの環境から抜け出していたいと思っていると思います。

――我々JIPCについては、どのように評価されていますか?

夏目 ポイントサイト・インセンティブが一部の世の中で悪いもの・怪しいものと思われがちですから、そういうところと線引きしていくためにも、JIPCにはこれまで以上に、ポイントサイトの安心安全協会の象徴になって欲しいと思っています。

――では、最後に繰り返しになりますが、夏目さんが抱える現在の課題と将来の展望をお聞かせください。

夏目 現状、値引き合戦、高ポイント還元競争に、若干巻き込まれてしまっているところがなきにしもあらずなので、引き続きそこを上手に打破する施策を作っていかなければいけないというのが現在の課題ですね。リンクシェア様やバリューコマース様、インタースペース様、ファンコミュニケーションズ様など、超大切なパートナーであるASPさんと一緒にご協力させてもらいながらアフィリエイト市場を大きくして、将来の展望としては、やはりポイントサイト№1を目指したいと思っています!

――最後に心強い言葉が聞けました。本日はどうもありがとうございました。